小原自動車工業

【受付時間】平日 9:00~18:30
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HOME - THE WAY - 前編-2

借金をすること以外は自由に挑戦させてくれた父

私の入社は昭和57(1982)年です。それまで7年半、三菱自動車販売に勤めていました。入社の時期にはこれといった理由、例えば父親から呼び戻された、あるいは父親が倒れたなどということもなく、そろそろ戻る時期かなと家に戻ってきたのです。

私は高校を卒業すると慶應義塾大学工学部に進みました。機械工学科で、たまたま入った研究室が自動車エンジンの排ガス規制の研究をしていました。そこで私はディーゼルエンジンの黒煙を減らすための水噴射の研究をし、研究室の先輩の紹介で三菱自動車販売に就職したのです。しかも配属されたのは乗用車ではなく、トラック・バス部門でした。そのサラリーマン時代に何かの役に立つかもしれないと、整備士の資格を2級まで取っていました。

自分でも不思議なのですが、何かに導かれるように家に戻るための準備をしていたとしか思えません。

父は、直接は何も言いませんでしたが、やはり私の入社が嬉しかったようで、友人たちには「息子が戻ってくる」と喜んで話していたそうです。

経営についても父はあまり話しませんでした。ただ「借金だけはしないほうがいい」ということだけは言っていました。

この言葉通り、父は非常に堅実な経営をしていて、大型トラック用のリフトを2機導入したときも、借金をするのではなく長泉の第二工場の土地を一部売って、資金に充てていました。

戻ってきてすぐに私は車検の検査員の資格を取り、営業にもまわりました。

トラックの車検がメイン業務ですから、決まったお客さまばかりでした。そうした顧客を定期的に訪問するのが営業の仕事です。そこで新しいお客さまを紹介してもらえることもあり、それが新規開拓につながっていきました。

当社の強みは高い技術力であり、仕事が非常に丁寧なことでした。しかし、私はもう少し短時間で作業を終わらせれば収益が上がるのにと、そんなことを思うこともあったのです。そこで仕事が減った時期に、高所作業車の点検やタンクローリーの検査の資格を取るために研修を受けに行ったりもしました。仕事の幅を増やそうと思ったのです。

結局は、またトラックの仕事が忙しくなり、それらの仕事はやらなくて済んだのですが、その意味では父はけっこう自由にやらせてくれていたと思います。

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