小原自動車工業

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【定休日】 日曜・祝日

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HOME - THE WAY - 後編-1

引け目に感じたM&Aが
「やってよかった」に
変わった日

自動車業界の変革の波に自社は乗れるのか。気づけば後継者不在に陥っている。さまざまな将来の課題に直面したとき、選択肢に浮かんだのがM&Aだった。しかし、その決断を下すには大きな勇気が必要だった。

このままでは自社単独で将来像を描き切れない

いま自動車業界は大きな変革期を迎えています。ひょっとすると、それは自動車というものの歴史が始まって以来のドラスティックな変わり目かもしれません。

1つは自動運転化であり、さらに1つは地球温暖化対策のための世界的なカーボンニュートラルの潮流です。そのなかですでにヨーロッパではガソリン車やディーゼル車などの規制が進み、電気自動車が主流になりつつあります。

日本でも2050年を日標に脱炭素化に向けた取り組みが始まっています。各メーカーも競って自動運転化や電気自動車あるいは燃料電池も含めた排気ガスを出さない自動車の開発を進めています。電気自動車はすでに実用化されていますし、自動運転に関してもレベル3(条件付き自動運転)は令和2(2020)年4月に解禁されました。法整備や社会インフラさえ整えば、技術的にはレベル5の完全自動運転がいつでも可能になる段階にまできているのです。

この激震は業界の再編を促し、中小の部品メーカーなどの洵汰はもう始まっています。その中でどう生き残って行くのか、私には、あのトヨタ自動車ですら、いまは自動車メーカーではなく移動する、つまりモビリティーを提供する会社だという自己定義をしていることが、業界のサバイバルを象徴しているように思えるのです。

こうした業界の流れの中で、私たち整備工場も必然的に変革を求められているのです。

4月に解禁されたレベル3の自動連転の点検基準も新たに出されました。もちろん解禁されたといっても現段階ではまだまだごくわずかですが、やがて量的にもそうした自動車が増えてくることを考えると、自動運転車の整備にも対応していくことを考えなければなりません。そのためには、新しい機械やかなりの技術・知識が必要になります。

それに対応できる工場の環境を整えるために建て替えも視野に入れるとなると、これは大きな出費になります。はたして自カでそれができるのだろうか。

後継者を育ててこなかったことと、業界の再編の中で自社だけでは将来像を描き切れないのではないかという不安感が、私がM&Aを選んだ大きな理由でした。

私の代で廃業するという選択肢もあるにはあったのですが、以前、廃業をした人から話を訊いたことがあって、その大変さに驚いた経験がありました。財産はすべて処分しなければならないし、社員さんの次の行き先も面倒をみなければならない。債務があれば、それも清算しなければいけない。まずもって内部留保金に余裕がなければできません。

これは無理だと、最初から廃業は考えてはいませんでした。すると、残された選択肢は1つ、いい会社とのM&A契約を結ふことしかなかったのです。

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