小原自動車工業

【受付時間】平日 9:00~18:30
【定休日】日曜・祝日

小原自動車工業

【受付時間】平日 9:00~18:30
【定休日】日曜・祝日
  
HOME - THE WAY - 前編-4

乗用車の車検を始めることで車のトータルサポートを目指す

経営者として私が行った大きな決断の1つは、平成9(1997)年に車検のK社のFCに加盟したことです。

その頃、県内でも有数の大手運送会社が自社に整備工場を作ったのです。すると、その関連会社がその工場で車検を行うようになり、売り上げが3000万円ほと落ちました。

K社への加盟は新しい仕事を確保するため、同業者からの勧めもあっての決断でした。乗用車用リフトも増設し、それまでは細々とやっていた乗用車の車検事業も増やしました。

しかし、やはり慣れるまでが大変でした。卜ラックと違って乗用車は毎日のように新しいお客さまがこられます。その対応の仕方もK社のマニュアルを遵守しなければいけないのです。しかも、スピーディーに車検を終わらせなければいけない。

沼津店の店長など、接客のマニュアルをスタッフに教えるストレスで円形脱毛症になったほどでした。しかし、乗用車の車検は間違いなく当社のひとつの柱となりました。

さらにトラックのほうも効率化をはかろうと、その数年後に長泉の第二工場を増築してトラック事業を長泉に集約しました。

そうすることでずっと念願にしていたトラックの車検、年間600台を達成することができたのです。その後、乗用車用の板金工場も新設し、新車市場にも加入するようになりました。車検・整備から板金、さらには中古車、新車販売、保険業務まで、車に関することならすべてトータルでサポートできる体制を築いていきました。そのことで経営は非常に安定的なものになっていきました。

事業の継承を真剣に考えるようになったのは、5、6年前くらいからです。還暦を超えて数年した頃から、社員の個人面談をすると、後継者はとうなるのかと訊かれることが増えてきたのです。とくに長く勤めようと思ってくれている社員にとって会社の存続は大きな問題に違いありません。

わが家は娘3人です。娘たちにプレッシャーをかけるのがいやで、父と同じようにこれまで承継の話はしてきませんでした。次女と三女はすでに結婚し、長女も大手IT企業でキャリアを積んでいます。娘たちに話してみると、やはり四代目を継ぐことはできないという答えでした。

有望な社員に会社を託すとしても、経営者として育てていくのに何年かの時間が必要になります。悩み抜いた末、会社を継続させるためにはM&Aしかない。私はそう決断したのです。

PAGETOP